2020/09/09
緑茶にはカテキンやフッ素が含まれるため、むし歯や歯周病を予防して歯の喪失を食い止める可能性を持つことが指摘されているが、1日に4杯以上の緑茶を飲む高齢者は飲まない人に比べ、1.6本多く歯が残っていることが、東北大学大学院歯学研究科の相田潤准教授らの調査で明らかになった。
調査は要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者2万4,147人から緑茶の摂取頻度、1カ月に会う友人や知人の数を聞くとともに、日本老年学的評価研究プロジェクトの2016年横断調査データを分析、緑茶の摂取頻度や友人、知人の数と歯の関係を解析した。
それによると、緑茶を1日に4杯以上飲む高齢者は飲まない人に比べて1.6本、1カ月に10人以上の友人、知人と会う人は1人も会わない人に比べて2.6本多く歯が残っていることが分かった。緑茶は人と会っているときに飲むことが多いことから、相田准教授らは緑茶を摂取する機会が多いほど歯が多く残るとみている。
緑茶に含まれるカテキンやフッ素がむし歯や歯周病に効果があることは、多数の研究で明らかになっているが、実際の効果について人を対象として大規模な検証を進めたのは、今回が初めてという。
新型コロナウイルスの感染拡大で不要不急の外出を控えることが呼びかけられているため、友人や知人と会う機会が減りがちだが、相田准教授らは意識して緑茶を飲むと効果を期待できる可能性があるとしている。
大学ジャーナルオンライン:https://univ-journal.jp/52016/